微量危険物の許容容量、許容質量
微量危険物として輸送可能な規定のある危険品は、所定の要件を満たすのであれば通常の危険品に比べていくつかの規則が免除されるほか、少量危険物よりもさらに簡略な規定を適用させることが可能です。
基本的には少量危険物よりもさらに量が少ないもので、かつ、微量危険物として輸送なものに限って適用されます。容量や重量については危険品ごとに規定があります。規定がないもの(数字や記号等がなく、この欄が空欄もしくは「-」となっているもの)は微量危険物として輸送することは出来ません。元来は航空輸送だけにあった制度ですが、現在は海上輸送でも適用可能となっています。
微量危険物の場合、基本的記載事項に「Dangerous goods in excepted quantities」の文言を付記する必要があります。
微量危険物の記号の意味
微量危険物の欄に記載されている記号は下記のような意味となります。
記号 | 内装容器当たりの許容容量又は許容質量(固体についてはg、液体及び気体についてはmlを単位) | 外装容器当たりの許容容量又は許容質量(固体についてはg、液体及び気体についてはmlを単位。ただし、混載される場合にはg及びmlの合計量とする。) |
---|---|---|
E1 | 30 | 1000 |
E2 | 30 | 500 |
E3 | 30 | 300 |
E4 | 1 | 500 |
E5 | 1 | 300 |
- 1 高圧ガスについては、内装容器に示される容量は内装容器の内容積を表し、外装容器に示される容量は同一外装容器内に収納されたすべての内装容器の内容積の合計を表すものとする。
- 2 異なる記号が割り当てられている微量危険物が同一外装容器内に収納される場合には、一外装容器当たりの総質量は最も制限的な記号に対応する量に制限されなければならない。
- 3 微量危険物を収納する容器は、次の要件に適合するものでなければならない。
- イ 内装容器はプラスチック(液体の危険物を収納する場合は、その板厚は0.2mm以上であること。)、ガラス、磁器、せっ器、陶器又は金属を用いたものであること。
- ロ 内装容器の閉鎖具は、針金、テープその他有効な方法により確実に固定されていること。
- ハ 内装容器にねじ型のくびがついている場合、その蓋は、漏れを防止できるねじ型のものであること。
- ニ 各内装容器は、緩衝材とともに中間容器に確実に収納されていること。
- ホ 中間容器は、その向きにかかわらず、破損又は漏洩した場合に内装容器内の危険物を完全に包含できること。
- ヘ 中間容器は、危険物が液体の場合に内装容器内の危険物を吸収するのに十分な吸収剤を有していること。この場合において、その吸収剤を緩衝材として使用することができる。
- ト 中間容器は、強固な外装容器(木製、ファイバ板その他強固な材質を有するもの)に確実に収納されていること。
- チ 各容器はIMDGコード3.5.3に規定する容器試験基準に適合するものであること。
- 4 E1、E2、E4又はE5が適用される微量危険物のうち、注3の要件に適合するものであって次の要件を満足したものは危険物明細書の提出を要しない。ただし、通常運送時に内装容器の損傷又は内容物の漏洩が起こらないように、又液体を収納する場合は内装容器と共に収納される吸収材によって内装容器内の危険物全体が吸収できるように、内装容器が安全に外装容器に収納されている場合には中間容器は必要としない。
- イ 各内装容器に収納される危険物の量が、液体及び気体にあっては1ml、また、固体にあっては1g以下であること。
- ロ 輸送物に収納される危険物の量が、液体及び気体にあっては100ml、また、固体にあっては100g以下であること。
- 5 隔離の規定に拘わらず、相互の作用により発熱し、ガスを発生し、腐食作用を起こし、その他危険な物理的又は化学的作用を起こす恐れがない場合には品名の異なる危険物を同一外装内に収納することが出来る。
記号としてSP340が記載されている場合
記号 | 意味 |
---|---|
SP340 | 1 備考10のSP236の1(1)及び(2)の要件に適合する危険物を収納するポリエステル樹脂キットであって、当該ポリエステル樹脂キットに収納される危険物の容量が、(1)の記号で定める容量以下であるものは、微量危険物として運送することができる。この場合において、有機過酸化物の許容容量又は許容質量は、記号E2で定めるものとする。 2 備考10のSP251の1(1)の要件に適合する危険物を収納する化学検査キット又は救急キットであって、当該化学検査キット又は救急キットに収納される危険物の容量が、(1)の記号で定める容量以下であるものは、微量危険物として運送することができる。この場合において、有機過酸化物の許容容量又は許容質量は、記号E2で定めるものとする。 |
微量危険物のラベル表記
微量危険物のラベル表記については下図のようなものとなります。
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