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国連番号の品名について

危険物を輸送する場合、その品名については、使うことができる名称に定めがあります。工業的に用いられる危険物・危険品にもそれぞれメーカーや商社等がつけている「商品名」や「通称名」がありますが、これらだけを輸送書類などに用いると、それがどのような危険品なのかわからなくなってしまいます。

特に国境を越える貿易においては、ただでさえ制度や言語の違いもあることから、危険品の取扱いについて国ごとに違う基準を設けることには様々な不都合が伴います。危険品とその危険性を正しく同定し、取扱いに統一的なルールを設けるため、国連では「危険物輸送に関する勧告」を制定しています。このルールそのものは勧告(Recommendations)ですが、これを元にした各国のルールや国連の専門機関が定めるものには危険品における輸送を安全に行うために法的拘束力をもつ「法令」にまで落とし込まれたものがあり、その中では、「品名」についてどのように記載すべきかも決められています。

品名は、国連番号それぞれに対応する名称が決まっており、輸送の際はこの名称を用いることになります。また、その表示方法にも定めがあり、多くの危険物は、国連番号(UN4ケタ数字)とともに品名を表示することが必要です。

国連番号に対応している「品名」だけでは、輸送しようとしている危険品に対応していないことがあります。たとえば国連番号はUN0004からおおよそ2800近くの危険物がリスト化されていますが、実用上用いられる物質の中にはこの中に名称がない危険物もあります。こうした場合には、「包括品名」もしくは「N.O.S.品名」と呼ばれる品名が使われます。

包括品名
包括品名は、ひとつの名称で多数の化学物質等に対応する名称の括りです。包括品名に該当する可能性のある物質についてもリスト化されているものがありますので、あわせて参照することになります。
N.O.S.品名
N.O.S.品名とは、Not otherwise specifiedの頭文字からきている名称で、いわゆる「その他の〜」といった形で、特定のカテゴリーのなかで、国連番号に名称がないものを総称する品名です。

いずれについても、これらの名称を使う場合にはどのような危険物で、どのような危険性があるのかわかるように、追加情報を記載することになります。

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