国連番号におけるイエローカードとは
危険物や危険品の世界でいうところの「イエローカード」とは、危険物を陸上輸送する際に携行することになっている「緊急連絡先カード」のことで、化学物質等の危険物を運送中に万が一事故となってしまった場合、その物質の危険性や有害性がどのようなもので、どのように応急措置を行えばよいのか、緊急連絡先や通報先、周辺火災となってしまった場合、漏洩や飛散した場合、救急措置、通行規制(これらを輸送している場合には水底トンネルや長大トンネルを通行できない)について記載されている黄色い紙のことです。
国連番号は主として輸出品、輸入品に対して海上輸送や航空輸送をする場合に危険物の特定に用いるため、陸上輸送のためのイエローカードとは何の関係が、と思われるかもしれませんが、容量の少ない危険物や危険品を混載して陸上輸送する場合に、危険物の容器やパッキングに「容器イエローカード」と呼ばれるラベルを貼り付けます。これには「国連番号」と、緊急時の応急措置方法についての指針である「指針番号」が記載されています。
緊急時応急措置指針については、日本化学工業協会のサイトに購入方法について記載されています
。日本では、消防法で指定されている危険物を輸送する場合と高圧ガス保安法の高圧ガスを輸送する場合、毒物及び劇物取締法の毒物・劇物、火薬類取締法の火薬、爆薬、火工品のものを輸送する場合に、イエローカードの携行が必要です。
なお、消防法でいう危険物とは、下表の通りとなります。
分類 | 性質 | 品名 |
---|---|---|
第一類 | 酸化性固体 | 一 塩素酸塩類 二 過塩素酸塩類 三 無機過酸化物 四 亜塩素酸塩類 五 臭素酸塩類 六 硝酸塩類 七 よう素酸塩類 八 過マンガン酸塩類 九 重クロム酸塩類 十 その他のもので政令で定めるもの 十一 前各号に掲げるもののいずれかを含有するもの |
第二類 | 可燃性固体 | 一 硫化りん 二 赤りん 三 硫黄 四 鉄粉 五 金属粉 六 マグネシウム 七 その他のもので政令で定めるもの 八 前各号に掲げるもののいずれかを含有するもの 九 引火性固体 |
第三類 | 自然発火性物質及び禁水性物質 | 一 カリウム 二 ナトリウム 三 アルキルアルミニウム 四 アルキルリチウム 五 黄りん 六 アルカリ金属(カリウム及びナトリウムを除く。)及びアルカリ土類金属 七 有機金属化合物(アルキルアルミニウム及びアルキルリチウムを除く。) 八 金属の水素化物 九 金属のりん化物 十 カルシウム又はアルミニウムの炭化物 十一 その他のもので政令で定めるもの 十二 前各号に掲げるもののいずれかを含有するもの |
第四類 | 引火性液体 | 一 特殊引火物 二 第一石油類 三 アルコール類 四 第二石油類 五 第三石油類 六 第四石油類 七 動植物油類 |
第五類 | 自己反応性物質 | 一 有機過酸化物 二 硝酸エステル類 三 ニトロ化合物 四 ニトロソ化合物 五 アゾ化合物 六 ジアゾ化合物 七 ヒドラジンの誘導体 八 ヒドロキシルアミン 九 ヒドロキシルアミン塩類 十 その他のもので政令で定めるもの 十一 前各号に掲げるもののいずれかを含有するもの |
第六類 | 酸化性液体 | 一 過塩素酸 二 過酸化水素 三 硝酸 四 その他のもので政令で定めるもの 五 前各号に掲げるもののいずれかを含有するもの |
- イエローカードのサンプル(日本化学工業協会、PDFファイル)
- 危険物をトラックをはじめとする陸上輸送する場合に必要なイエローカードサンプルの現物。
- 消防法(法令データベース)
- 総務省の法令データ提供システム。同法の最終改正:平成二五年六月一四日法律第四四号
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